機械式駐車装置とは?種類や特徴について解説

公開日:2024/11/07 最終更新日:2024/11/08
機械式駐車場種類

機械式駐車装置は駐車場スペースの確保が難しい都心部において、限られたスペースで立体的に駐車台数を確保できる魅力的な装置です。機械式駐車装置にはいくつか種類があり、種類ごとに特徴やメリット・デメリットがあります。そこで、今回の記事では機械式駐車場の種類と特徴を解説します。機械式駐車装置メーカーを選ぶポイントについてもあわせて解説しますので、参考にしてください。

機械式駐車場装置とは?

機械式駐車装置は、限られたスペースを最大限に活用して車両を立体的に収納できるシステムです。一般的な自走式立体駐車場とは異なり、昇降装置を使用して車を自動的に収納・出庫します。設置場所に応じてさまざまな種類があり、それぞれ利用方法にも違いがあります。

導入する際には、各種の特性を理解することが重要です。設置する機種によって、収納可能な車両数やそれぞれのメリット・デメリットも異なるため、事前に確認しておくことが大切です

機械式駐車装置の種類と特徴

ここでは、機械式駐車装置の種類と特徴について解説します。

個人宅に多い:地上二段式

地上二段式駐車システムは、車両を上下2段に重ねて収納できる方式で、1台分のスペースで2台の車を駐車できます。このシステムは個人宅だけでなく、企業の社用車の保管にも利用されます。

この方式のメリットは、限られたスペースを有効に活用できることです。また、上段に駐車された車は他人の手に触れられにくく、安全性が高いのも魅力です。さらに、上段は天候の影響を受けにくく、直射日光や雨から車を守るため、劣化を防ぎやすくなります。

一方、デメリットとしては、上段の車を出す際には下段の車を先に出さなければならず、手間がかかることがあります。急いで出庫する必要がある場合には不便に感じることもあるでしょう。

マンション・集合住宅:ピット二段式

ピット二段式駐車システムは、1段目と2段目を地下に収納するタイプで、地上二段式のデメリットを解消しています。この方式では、1段目の車を出すのを待たずに2段目の車をスムーズに出庫できるのが大きな特徴です。また、最大3段まで増設可能なため、多くの車両を収納でき、特にマンションや集合住宅に適しています。

ピット二段式の利点は、1段目の車に影響されずに2段目の出庫ができるため、利便性が高い点です。さらに、1段目の操作が機械に依存しないため、手間が少なくなります。地下に収納されることで、天候による車両の劣化を防ぎ、他人に触れられるリスクも減少します。2段目や3段目はアクセスが制限されるため、安全性も向上します。

ただし、デメリットもあります。地下収納の場合、浸水時に被害を受けるリスクがありますし、出庫に時間がかかることもあります。また、出庫時には不安定なパレット上を移動する必要があり、物を落とす危険性もあるため、慎重な取り扱いが求められます。

中規模マンション:昇降横行式

昇降横行式駐車システムは、1台分のスペースを空けた状態でパレットが移動し、車を駐車する装置です。この方式には地上段タイプと地下段タイプがあり、駐車スペースに応じてパレットが自動的に動く仕組みです。最大の魅力は、1台分のスペースが空いているため、既に駐車している車の位置に関係なく、自由に出し入れできることです。

このシステムのメリットは、車の位置に左右されずにスムーズに出入庫でき、安全性が高い点です。また、地下に収納することで他人のアクセスを制限し、天候から車を保護することも可能です。

一方で、デメリットとしては、利用者数によって出庫の待ち時間が変わるため、混雑時には不便に感じることがあります。また、地下に収納する場合、浸水のリスクや、収納後に忘れ物を取りに行くのが困難になることも懸念されます。

大規模マンション:エレベーター方式

エレベーター方式の駐車システムは、パレットに載せた車を上下に動かし、左右に配置された駐車スペースに駐車する仕組みです。この装置は大型で、建物内に全ての車両を収納できるため、車上荒らしなどの被害を防げます。また、稼働音が比較的静かである点も特徴です。

このシステムのメリットは、建物内に全車両が収納されるため第三者による接触や損害の心配が少なく、周囲に与える影響も軽減されることです。さらに、屋内に保管されることで天候による劣化を防ぎ、車を良好な状態に保ちやすくなります。

一方で、デメリットとしては、車の位置によって出庫に時間がかかることがあり、利用者にとって不便に感じる場合があります。また、装置が複雑なため、定期的な保守点検が必要で、そのメンテナンスにかかる費用が高くつくことが運用上の課題となります。

ショッピングモールや公共施設:垂直循環方式

垂直循環方式は、建物内で車を載せたパレットが円を描くように動き、車を出し入れするシステムです。この方式はタワー式駐車場の中でももっとも一般的で、エレベーター方式や水平循環方式とともに広く利用されています。

このシステムのメリットは、全ての車両が建物内に収納されるため、利用者が安心して車を預けられる点です。また、屋内に駐車することで天候による車両の劣化を防ぎ、良好な状態を長期間保つことができます。さらに、単純な構造のため狭いスペースを有効活用でき、ショッピングモールや公共施設にとくに適しています。

しかし、出庫に時間がかかることがあり、混雑時には不便を感じることがあります。また、作動時に音が発生するため、周囲の静けさに影響を与える可能性があるのです。加えて、装置の規模が大きいため、メンテナンスにかかる費用が高くなる傾向があります。

機械式駐車装置メーカーを選ぶポイント

ここからは機械式駐車装置のメーカーを選ぶポイントについて解説します。

品質

品質は、メーカー選びにおいて非常に重要です。高品質な装置を選ぶことで、耐久性が向上し、長期的な使用が可能になります。これにより、頻繁なメンテナンスや交換の必要が減り、修理や交換にかかるコストを大幅に削減できます。

各メーカーは独自の技術を活かし、安全で信頼性の高い機械やサービスを提供しています。これにより、車両ごとに適切な速度設定や効率的な運用が実現されます。メーカーによって技術やサービス内容が異なるため、選定する前にしっかりと確認し、比較することが重要です。

静音性

静音性は、メーカー選びにおいて重要な要素です。稼働中の音を気にする方が多いため、周囲への騒音を最小限に抑えるシステムが求められます。多くのメーカーでは、低音設計が施され、図書館と同程度の騒音レベルに抑えられたシステムが開発されています。

静音性に優れた装置であれば、夜間でも安心して使用できるため、特に住宅地や静かな環境での運用を考える場合は、静音性の高いメーカーを選ぶことをおすすめします。

耐久性

機械式駐車装置を長期的に使用するためには、耐久性を確認することが非常に重要です。一般的に、これらの装置の稼働年数は15〜20年とされており、長期間の使用を考える際には、耐久性を事前に確認しておく必要があります。

耐久性は、いくつかの要因によって影響を受けます。まず、定期的な点検や適切なメンテナンスが行われているかが装置の寿命に直結します

また、使用される部品の品質も重要です。高品質な部品を採用しているメーカーを選ぶことで、耐久性をさらに高めることができます。耐久性を重視する場合は、これらの要因をしっかりと確認し、選択することが求められます。

アフターサポート

アフターサポートの有無は、メーカー選びにおいて非常に重要な要素です。機械式駐車装置は部品の摩耗や劣化により故障リスクが常に伴うため、安全に運転するためには定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。

定期的な点検を実施することで、部品の交換や修理が行え、安全を維持しながら長期的な運用が可能になります。特に、機械式駐車装置は人命に関わる事故を防ぐための安全性が求められるため、しっかりとしたアフターサポートを提供するメーカーを選ぶことが重要です。信頼できるアフターサポートがあることで、万が一のトラブルにも迅速に対応でき、利用者にとって大きなメリットとなります。

導入を検討する場合は安全面をしっかり配慮する

機械式駐車場には、車上荒らしや盗難のリスクを軽減し、天候による車の損傷を防ぐことができる、限られたスペースを有効活用するなど、さまざまなメリットがあります。しかし、一方で、機械式駐車場においては重大事故が発生している事実も存在します。令和6年3月末現在で、機械式立体駐車場では53件の重大事故が報告されています。

国土交通省は、機械式立体駐車場の安全性向上を目指して、安全対策に関するガイドラインを作成し、公表しています。今後、機械式駐車装置を設置する際には、このガイドラインに基づく安全基準を満たし、国土交通大臣の認可を取得する必要があります。

さらに、マンションに設置されている駐車場は駐車法の規制対象外ですが、ガイドラインに沿った設置が求められています。したがって、導入を検討されている方は、ガイドラインに従って安全に装置を運用し、重大な事故を未然に防ぐための管理を徹底することが重要です。

まとめ

機械式駐車装置は、限られた敷地を有効に活用し、駐車場不足の解消に貢献する魅力的なシステムです。導入の際には、設置場所に適したタイプを選び、国土交通大臣の認可を受けて、安全に運用することが重要です。導入を検討している方は、ぜひメーカーに相談してみてください。

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イメージ
引用元:https://www.parkingsystem.jp/

引用元:https://www.iuk.co.jp/parking/lineup.html

引用元:https://www.shinmaywa.co.jp/products/parking/

引用元:https://www.hokoku-f.co.jp/

引用元:https://www.nhk-ps.co.jp/

引用元:https://www.nissei.co.jp/parking
会社名日栄インテック株式会社IHI運搬機械株式会社新明和工業株式会社株式会社豊国ファシリティーズ株式会社ニッパツパーキングシステムズ日精株式会社
特徴自社独自の特許技術で、優れた静音性を実現省エネルギーで低騒音・低振動を実現低重心設計と軽量化を図り、耐震性を追求50mm刻みでサイズオーダーの細かい設定が可能二・多段式駐車装置の豊富な製品バリエーション設計自由度が高く収容効率アップを実現
取り扱い装置・ピット(2段、3段)昇降式
・地上2段昇降式
・ターンテーブル
・エレベータ方式
・垂直循環方式
など
・エレベータ方式
・垂直循環方式
など
・昇降・ピット式
・昇降横行式
・昇降横行・縦列式
など
・昇降横行式(チェーン式/地下油圧式)
・昇降式(チェーン式/油圧式)
・水平循環方式
・エレベータ方式
など
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