狭い土地を有効活用する方法として、機械式駐車場の利用が増えています。そこで本記事では、機械式駐車場の収容台数や収容車両の寸法を変更する方法、そして構造の平面化や装置の入れ替えについてくわしく解説しましょう。機械式駐車場に関する知識やその構造と設備の改修について知りたい方は、ぜひご一読ください。
CONTENTS
収容台数を増やすための機械式駐車場の改造方法とは?
機械式駐車場は、限られたスペースを最大限に活用できるため、多くの都市部で利用されています。しかし、使用年数が経過するとともに、収容力や対応可能な車種に制約が生じることがあるのです。こちらでは、収容台数を増やすための機械式駐車場の改造方法について紹介しましょう。
サイズアップで収容可能車種を増やす
機械式駐車場が古くなってきた場合、リニューアルにともない多額のコストが掛かる場合もあるでしょう。駐車スペースはそのままに収容可能な車種を増やすリニューアルは可能であり、たとえば3段式から2段式へ入れ替えすることもできます。また、3段式から3段式へ変更することで、地下段2台のうち1台が車高1,700㎜までアップすることも可能です。
機械式駐車場から平面化することで修繕費を大幅に削減
装置を解体し、平面化装置に入替することで大幅なコストダウンが図れます。車両台数は減るものの平面化装置での入れ替えは、埋め戻しで懸念される地盤沈下の恐れがありません。また、大型車両の駐車も可能になるため、車種を選ばなくても駐車できます。
リニューアルにともない新たな装置を設置できる
駐車場を解体しリニューアルすることで、新たな装置を設置できるメリットもあるのです。たとえば、将来に向けてEV受電対応できる装置の設置やタッチレス操作可能な装置の設置ができます。また、全面ゲートカラーの変更や消火設備の設置も可能です。
構造平面化による収容台数・収容車寸法変更のメリット・デメリット
構造平面化によって収容台数や収容車寸法を変更する際には、さまざまなメリットとデメリットが存在します。こちらでは、構造平面化を行うことで得られる利点と注意すべき点について詳しく紹介しましょう。
埋め戻しによるメリットとデメリット
埋め戻しによる構造平面化のメリットは、アスファルトやコンクリートで舗装するため定期的なメンテナンスが不要になることです。機械操作の待ち時間もなく、故障のリスクがないでしょう。しかし、デメリットとしてピットのコンクリートの下に空洞ができやすく、地盤がゆるみやすい面があります。
鋼製平面化によるメリットとデメリット
鋼製平面化によるメリットは、軽くて負荷が掛かりにくく定期的なメンテナンスの必要がない点です。ピットを残しながら作業をするため、将来的に駐車場の需要が増えもう少しスペースを広げる場合にも適しています。
これは、平面式から再び機械式駐車場にリニューアルできるためです。ただし、床板に重量制限があるため、トラックやワゴン車は止められないというデメリットが発生する場合もあります。
構造平面化する場合は住民の理解も必要
構造平面化を行う場合、多額の費用が掛かるとともに住民への理解も必要となるでしょう。マンションの地質や収容台数によって、平面化するかどうか迷うオーナーもいるといえます。ただ、どのような工事を行うにしてもマンション住民が納得できる駐車場になるかしっかりと検討しなければなりません。
装置入替による収容台数・収容車寸法変更のメリット・デメリット
駐車場の装置入替による収容台数・収容車寸法変更にはよい点・悪い点があります。こちらでは、それぞれの、メリット・デメリットに関して紹介しましょう。
装置入替による収容台数・収容車寸法変更のメリット
装置入替による収容台数・収容車寸法変更のメリットは、入れ替えすることで便利性や将来性がアップすることでしょう。永年劣化にともなう装置は、お客さんの生活に支障をきたすことになります。
初期費用は掛かるものの不具合による修繕費用が掛からないため、将来的な資金計画が立てられやすいというメリットがあります。
装置入替による収容台数・収容車寸法変更のデメリット
装置入替による収容台数・収容車寸法変更によるデメリットは、装置自体が受注生産であるため、納品までに4か月程度は掛かることです。もし、工事の過程で不具合が起これば、完了までに半年以上かかる場合があることを見込んでおきましょう。また、各自治体によっては駐車場の附置義務があり、減らせる台数に制限があります。
外部ニーズをしっかり見極めることが大切
装置入替を行う場合、料金や稼働状況をしっかり見極める必要があるでしょう。マンション内外であれば、需要と供給のバランスを見極めながら収益事業を考えることが大切です。
まとめ
今回は、機械式駐車場の収容台数、収容車寸法を変更するにはまた、構造平面化や装置入替について徹底解説しました。機械式駐車場は時代にマッチしなくなってきた場合が多く、リニューアルするにしても多額の費用が掛かる場合があります。まずは、リニューアル後に収益が見込めるかどうか、しっかり資金計画を立てましょう。また、コストダウンを図りながら工事できる機械式駐車装置メーカーも存在します。良心的に工事してくれるメーカーを見極めることも大切です。