立体駐車場でも電気自動車(EV)の充電は可能?費用もまとめて紹介

公開日:2026/01/15
立体駐車場 電気自動車

近年では、持続可能な社会の実現という観点から、電気自動車の普及が急速に進んでいます。また、将来的には電気自動車が主流となる可能性も高いです。そこで本記事では、立体駐車場で電気自動車の充電は可能なのか?というテーマで、深掘りして解説します。電気自動車のユーザーや、立体駐車場をもっているオーナーは、ぜひ、ご一読ください。

立体駐車場での電気自動車(EV)の充電は可能

機械式立体駐車場におけるEV充電器の設置は、駐車装置の種類や現場環境によって可能かどうかが決まります。現在では技術の進歩により、多くのケースで設置対応が進んでいます。たとえば、昇降横行式では、指定したパレットごとに充電器を設置でき、パレットが横行している最中でも充電が可能です。充電器はパレット後方に配置され、車両の入出庫を妨げない設計が採用されています。

とくにコンセント型充電器は、駐車装置の扉が完全に閉まったあとに給電を開始する仕組みのため、感電リスクを抑えた高い安全性が確保されています。また、既存の機械式駐車場でも後付け可能な充電器が用意されている点も特徴です。

一方、垂直昇降ピット式では、基本的に最上部や地上に接しているパレットに限り後付けで充電設備を設置できるケースがあります。これらはパレットとコンセントボックスが一体で昇降する仕組みになっており、駐車装置の動きに合わせて機能する設計です。

さらに、タワー式や循環式といった大型の機械式駐車場でも設置は可能です。車両が完全に収納されてから給電を開始するため、車両との接続時に通電することがなく、事故を防止できます。このように機械式立体駐車場でもEV充電器を導入する際には、装置の仕様や設置環境に応じた安全対策や設計工夫がなされており、利便性と安全性を両立したEV充電インフラの整備が進んでいます。

EV充電器設置にかかる費用

マンションにEV充電器を設置する際に必要となる費用は、充電器本体の購入費用と設置工事費用の2つに分けられます。

費用の目安として、普通充電器の場合は本体費用が約17万円、工事費用が約7万円で、合計24万円程度です。一方、急速充電器は本体費用が約280万円、工事費用が約200万円で、合計480万円と非常に高額になります。とくに機械式駐車場の場合、電源を新たに引き込んだり駐車装置自体の改造工事が必要になるため、平置き駐車場に比べて費用がかさむケースが多いです。また、充電に必要な200Vコンセントが既存設備にない場合は、電柱から電源を引く工事が別途必要となり追加費用が発生します。

ただし、1990年以降に建設された多くのマンションや施設では200V対応が一般的なため、大きな問題になるケースは少ないとされています。急速充電器は充電時間を大幅に短縮できる利点があるものの、普通充電器の20倍以上のコストがかかる点には注意が必要です。しかし、国や自治体が実施する補助金制度を活用することで設置費用の負担を大幅に軽減できます。

たとえば、国の制度では充電設備費の50%、工事費用の最大100%が補助され、東京都の制度では普通充電器の設備購入費の半額および工事費最大81万円までが補助対象となります。これらを組み合わせることで、自己負担をほぼゼロにしてEV充電器を導入できるかもしれません。補助金は予算枠や申請期限があるため、設置を希望する場合は早めに施工業者へ相談し、スケジュールを調整することが重要です。

EV充電器を設置する際の懸念点

立体駐車場にEV充電器を設置する際には、従来から2つの大きな懸念点が指摘されてきました。1つ目は、受電設備の大容量化です。駐車場に複数台分のEV充電器を導入して同時稼働させるには、大容量の受電設備が必要です。そのため、設備投資や電気の引き込み工事に多額のコストがかかる点が大きな障害となっていました。とくに過去には、普通充電器設置時に新たに電柱から電気を引き込むことが禁止されていたため、大容量化自体が技術的に難しく、立体駐車場への設置は高いハードルがありました。

しかし近年では、複数台の充電を順番に切り替えながら行う省電力・EV全台充電システムが登場し、受電設備の大容量化を必要とせずに効率よく充電を進められるようになっています。さらに2021年以降、普通充電器でも追加で電柱から電気を引き込むことが解禁されたことで、必要に応じて受電設備の大容量化が可能となりました。これにより、立体駐車場でも柔軟に複数台分の充電を提供できる環境が整ってきています。

2つ目の懸念点は、接続トラブルや災害時の安全性です。EV充電器の接続が不完全だったり、ケーブルが外れたりするトラブルや、地下にあるパレット部分での浸水・水没事故など、安全面への不安がありました。これに対しては、コンセント型充電器にロック付きカバーを導入することで、接続不良や意図しないケーブル外れを防止できます。また、コード一体型の充電器であれば走行中や利用時にコードが抜け落ちる心配が少なく、確実な接続を維持可能です。

これらの技術的対応により、立体駐車場での充電器設置にともなうリスクは着実に低減され、安全性を確保しながらEV充電環境を整備できるようになっています。

まとめ

立体駐車場でも電気自動車(EV)の充電が可能になり、充電器設置のハードルは技術進歩や制度改正で大幅に低減しています。省電力充電システムの普及により大容量設備なしで複数台の充電ができ、接続トラブル対策も進化しています。普通充電器なら設置費用を補助金でほぼゼロに抑えられる可能性もあり、立体駐車場オーナーやEVユーザーにとって導入の現実性が高いです。今後のEV時代を見据え、早めの検討がおすすめです。

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